【2025年ファッションの振り返り②】過去5年の振り返りと2026年ファッション予想

【2025年ファッションの振り返り②】過去5年の振り返りと2026年ファッション予想

【2025年ファッションの振り返り】の2回目です。
前回の1回目では2025年の1年間に注目し、今年流行ったカラーやデザイン、ファッションに与えて影響・価値観についてお届けしました。

今回は第2回目。ファッションはめぐると言われているようにある一定の期間で区切るとまた違う視点が見えてきます。今回は「2020~2025年の5年間での振り返り」と「2026年ファッション予想」をお届けします。

 

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▶【2025年ファッションの振り返り①】はコチラから
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過去5年間を比較してわかる3つのスタイル変遷

  • 2020年〜2025年でシルエットはどう変化した?

  • パンデミック以降の「機能重視表現重視」への転換

  • ストリート×ラグジュアリーのハイブリッド化

ファッションのトレンドは、単年ごとの変化だけでなく、数年単位の視点で見ることでより深い理解が可能になります。2020年から2025年にかけては、パンデミックや社会の価値観の変化により、スタイルや選ばれるアイテムに大きな転換が見られました。

 

特に「シルエット」「機能性と自己表現」「ジャンルの融合」といった要素に注目することで、5年間の流れがよく分かるようになります。この章では、それぞれの変化がどのように起こり、今のスタイルにどのように影響しているのかを振り返ります。

 

2020年〜2025年でシルエットはどう変化した?

2020年から2025年にかけて、ファッションにおける「シルエット」は大きな変化を遂げました。パンデミックの影響を受けた2020年前後では、リモートワークや外出自粛の影響から、快適性を重視したルーズフィットやオーバーサイズが主流となり、ストレスフリーなスタイルが求められました。

 

しかし、2023年頃からは社会活動の再開に伴い、徐々にスタイルの引き締めが見られるようになり、2025年には「メリハリのあるシルエット」や「ジャストサイズの回帰」がトレンドに。特にボトムスにおいては、ワイドパンツからスリムテーパードへの流れや、ローライズの復活なども注目されました。

 

このように生活スタイルの変化に沿う形で、シルエットの選び方も大きく揺れ動いてきたことが、5年間のスタイル変遷からはっきりと読み取れます。

 

パンデミック以降の「機能重視→表現重視」への転換

2020年から2021年にかけては、パンデミックの影響によりファッションの軸が「機能性」に大きく傾いていました。マスクとの相性を考えたスタイルや、ワンマイルウェア、抗菌・防臭機能付きの素材など、健康と快適性を最優先した選び方が主流でした。

 

しかし、2022年以降、日常が徐々に戻り始めると、再びファッションは“表現の場”としての役割を強めます。2025年現在では、自分らしさを主張できるカラーリングや、個性的なディテールを持つアイテムへの支持が高まっており、特にZ世代を中心に「誰かに会うための服」ではなく「自分を楽しませるための服」が好まれています。

 

この変化は、着ることの目的が「快適性」から「表現と共感」へと移行したことを示しており、ファッションの本質的な価値が見直されている証でもあります。

 

ストリート×ラグジュアリーのハイブリッド化

過去5年間のファッションにおける最も象徴的な変化のひとつが、「ストリートとラグジュアリーのハイブリッド化」です。2020年代前半は、バレンシアガやヴェトモンに代表されるラグジュアリーストリートが盛り上がりましたが、2025年にはその融合がさらに進化し、境界のない“新しい上質”が生まれつつあります。

 

ハイブランドの代表ルイ・ヴィトンのクリエイティブ・ディレクターがファレル・ウィリアムスに替わり、若い世代からの支持されるようになったのもこの流れのひとつです。また、テーラードジャケットにスニーカーを合わせるスタイルや、高級素材を使ったスウェット、ラグジュアリーブランドが展開するカジュアルラインなど、形式にとらわれない着こなしが定着しました。これは、TPOよりも「自分らしさ」を重視する価値観の表れでもあり、Z世代を中心に支持されています。

 

このようなハイブリッド化は、ファッションにおける階層の概念をとっぱらい、“価格ではなくセンスで選ぶ”という新たなスタンダードを提示しているとも言えるでしょう。

 

 

 

 

 

2026年に向けて押さえておきたい兆し

  • 「地域性と個性」が再評価されるスタイル 

  • テック系ファッションとリアル服の融合進行

  • Z世代のサブカル的ミームファッションが主流に?

2025年のファッショントレンドを振り返ると、変化は過去から現在だけでなく、「これから」への流れの分析にも役立ちます。特に、個人や地域に根ざした表現の重要性が高まり、ファッションの“ローカライズ”が進む兆しが感じられます。

 

また、テクノロジーとの融合、そしてZ世代によるSNSでバズることを狙ったミーム的なスタイル表現など、新しい価値観やスタイルが出現しつつあります。この章では、2026年に向けて注目すべき3つの兆しについて深堀していきます。

 

「地域性と個性」が再評価されるスタイルへ

2026年に向けて注目されるファッショントレンドの一つが、「地域性と個性」の再評価です。グローバルな流行が瞬時に広がる現代において、逆にローカルな文化や土地に根ざしたスタイルが新たな価値として見直されています。これは、差別化や共感を重視するZ世代の考え方にも通じる動きです。

 

例えば、徳島の藍染師集団「BUAISOU」×ユニクロのアイテムや、東北の刺し子ブランド「サシコギャルズ」×ニューバランス、または地域限定のコラボレーションアイテムなどが注目を集めており、それらをSNSで発信することで“個性×背景”をアピールする動きが広がっています。また、アジアや中東、アフリカのストリートスタイルが世界的に注目されるなど、ファッションの中心軸が多極化している点も特徴的です。

 

この傾向は、個性がなく型通りのトレンドに飽きた層にとって魅力的であり、ファッションが“自己表現”から“ルーツ表現”へと深化している証とも言えるでしょう。

 

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テック系ファッションとリアル服の融合進行

2026年に向けて、テック系ファッションとリアルな衣服の融合がさらに進行すると予測されています。近年、AR試着やバーチャルファッション、NFTアパレル(NFT技術によって「でかいに一つだけの本物」と証明されたデジタル上の洋服)といったデジタルファッションが話題となりましたが、2025年後半からは「デジタル×リアル」のクロスオーバーが加速しています。

 

具体的には、リアルな服にNFCタグ(超小型のICチップ、かざすだけで情報を読み取れる。模倣品防止や製造背景などの証明・確認が行える)を内蔵して情報をリンクさせたり、AIがコーディネートを提案する機能付きアプリと連携したウェアラブルなど、衣服そのものが“情報を持つメディア”へと進化しています。また、仮想空間でのファッションイベントが現実の購買行動に直結するなど、リアルとデジタルの境界はますます曖昧になっています。

 

こうした動きは、利便性だけでなく、自己表現やコミュニケーションの手段としてファッションが持つ役割を再定義しつつあります。テックとの融合は、ファッションに新たな創造性とビジネスチャンスをもたらすでしょう。

 

Z世代の“サブカル的ミームファッション”が主流に?

Z世代のファッションでは、サブカルチャーを起点にした“ミーム的ファッション”が注目を集めています。これは、インターネット上の文化やアイコン、ジョーク、アニメやゲームなどから着想を得たスタイルで、本人の趣味やコミュニティ性を強く反映したものです。

 

例えば、あえて「ダサかわいい」要素を取り入れたTシャツや、犬やぬいぐるみのモチーフ、奇抜なカラーリングや異素材の組み合わせなど、一見“トレンド”とは無縁に見える服装が、SNS上で熱狂的に支持されるケースが増えています。これは、外部の評価よりも“内輪の共感”や“個人的文脈”を重視するZ世代の傾向と深く結びついています。

 

2026年には、このような“共感の輪”によって生まれるスタイルがさらに広がり、従来の「トレンド主導型」から「ミーム主導型」へと、ファッションの在り方自体がシフトしていく可能性が高まっています。

 

 

いかがでしたでしょうか。
2回に分けてお届けした2025年ファッションの振り返り。
改めてみると「確かに!」と思える内容が多かったのではないでしょうか。
この記事で振り返った変化と兆しをもとに、2026年に向けた自分らしいスタイルを選ぶヒントにしてみてくださいね。

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