【退任特集 第3部】「ファッションは社会を映す鏡」アナ・ウィンターが遺したものと、次の時代へ

【退任特集 第3部】「ファッションは社会を映す鏡」アナ・ウィンターが遺したものと、次の時代へ

2025年6月末、アナ・ウィンターが約37年続くアメリカ版VOGUE編集長の座を退きました。そのニュースはファッション業界だけでなく、世界中のメディアや文化人の間でも大きな話題になりました。

なぜ、一人の編集長の退任がこれほど注目されるのでしょうか。
その理由は、アナ・ウィンターが「ファッション」という枠を超え、社会や文化にまで影響を与えてきたからです。


アナ・ウィンター


ファッションは社会を動かす「言葉」だった

 

アナ・ウィンターは、単なる洋服やスタイリングの紹介ではなく、ファッションを通じて「社会の空気」を発信してきました。

たとえば、2001年9.11同時多発テロ直後、ニューヨークの街が混乱する中で、彼女は編集部に「今こそ私たちが街に戻り、ニューヨークを元気づける記事を届けるべきだ」と指示を出したと言われています。
ファッション誌が単なる消費のためだけでなく、人々の心に寄り添う存在であることを示した瞬間でした。

また、BLM(ブラック・ライヴズ・マター)運動やLGBTQ+コミュニティへの支援、多様性のあるモデル起用など、ファッションを社会課題と結びつける取り組みも積極的に行ってきました。



メットガラを文化の中心に押し上げた功績

 

毎年、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されるファッション界最大のチャリティイベント「メットガラ」。今や世界のセレブがこぞって参加し、メディアがその装いを大きく報じる恒例行事ですが、このイベントを“文化現象”にまで押し上げたのもアナ・ウィンターの功績です。

チケット価格の高騰、入場の厳格な管理、テーマに合わせたハイレベルな装い…。こうした“規格外の演出”を通じて、ファッションが単なる流行や贅沢品ではなく、アートや社会的メッセージとつながる表現手段であることを、一般層にまで浸透させたのです。

 

メットガラ


「選択する力」を持つ私たちへ

 

アナ・ウィンターが語り続けてきたのは、「ファッションは、今を映す鏡であり、社会を動かすツールになり得る」という信念です。

そしてもう一つ、彼女の行動から見えてくるのは、「選択する力の重要性」です。
どんなブランドを着るのか、どのような価値観の服を選ぶのか、その小さな積み重ねが、社会全体の流れを変えていく。アナはそう信じ、私たち一人ひとりに問いかけてきました。

 

これは、Peparが大切にしている考え方にも重なります。
和紙というサステナブルな素材を選び、化学薬品に頼らず、土に還る服づくりにこだわるのは、未来を見据えた「選択」の一つです
Pepar公式サイトはこちら

 

アナ・ウィンター


アナ・ウィンターが去った後のファッション界と、次の時代

 

アナ・ウィンター退任後のVOGUE、そしてファッション業界は、これまで以上に多様で開かれた時代に突入するでしょう。AIの活用、気候変動への意識、ジェンダーレスな表現…。課題は山積みですが、アナが示してきた「妥協しない美意識」と「社会と結びつく強いメッセージ」は、これからも私たちの指針となるはずです。

そして、私たちが毎日の中で選ぶ一枚の服が、その時代の一端を形作ることを忘れてはいけません。

 

Peparもまた、そんな「未来を形づくる服づくり」にこれからも取り組んでいきます。




最後に ― ファッションは「表現」であり「選択」である

 

アナ・ウィンターが編集長として貫いてきたのは、「ファッションを恐れず、誇りを持って、自分らしさを表現すること」でした。

その姿勢は、VOGUEの誌面だけでなく、街を歩く私たち一人ひとりにも確かに影響を与えています。
これからも、ファッションを通じて社会とつながり、より良い選択を積み重ねていく時代が続くでしょう。

 

未来に残る服、未来に残る価値観。
Peparは、その一部を担うブランドとして、これからも皆さまと共に歩んでいきます。
Pepar公式サイトはこちら

 

▶退任特集 第1部「アナ・ウィンターの功績」はコチラから

▶退任特集 第2部「アナ・ウィンター素顔」はコチラから

 

 

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